屋台トーク-庄子智香子さん編-

 このところ冬の寒さの底のような日々ですが、つかの間あたたかさが訪れた1月19日(日)、荒浜ベースに隣接する株式会社アグリパートナーズさんの大型ビニールハウス内に屋台を据えて、屋台トークを行いました。ゲストは、昔からの荒浜住民であり現在は震災遺構荒浜小学校のスタッフをされている、庄子智香子さん。

お品書き:おでん to カレー

 この日の屋台メニューは「おでん」。くつくつと煮込まれた大根やすじ肉、練り物が体をあたためてくれる、寒い冬にぴったりのメニュー。屋台の定番メニューを囲んで、庄子さんから様々なお話を伺いました。

 お話は、料理にちなんで荒浜独自の郷土料理や、庄子さんが結婚されたころのエピソードからはじまりました。いわゆる「人に歴史あり」の言葉どおり、紆余曲折があったというこれまでのお話は、ユーモアあふれる笑いに包まれながら、徐々に土地の習慣や風習、日常の仲での信仰へと話題が移り、海や海岸林が近い暮らしならではの”めぐみ”につながっていきました。地域住民総出で行われていた運動会の話になると、荒浜住民の方々はみなさん決まって、少し興奮した面持ちでお話を聞かせてくださいます(笑)

 あっという間に時間は過ぎて、手元のおでんが空になると、残りの具材とお出汁がカレー(華麗!?)にリメイクされて登場!

 今回の屋台料理の提供は、料理上手のお手伝いスタッフ、純子さんによるものです(いつもありがとうございます)!!

荒浜と東日本大震災、それから。

 荒浜地域の昔からのお話を聞いていて、避けては通れないのが震災のこと。あのとき庄子さんがどう過ごしたのか、これまでどんなふうに過ごしてこられたのかも、お話してくださいました。

 聞けたお話はきっとほんの一部ながら、一口に「あれから14年」と言ってしまうことがためらわれる、一つひとつの出来事や、その判断の重みを感じました。このあたたかな陽だまりが貴重な穏やかさであることを思い出させられる、発災直後の緊張した日々から現在までのお話でした。

ご縁の鈴に、願いを込めて。

 お話のおしまいに、庄子さんが荒浜にご縁を感じて訪れてくれる人に手渡している【出会いのご縁鈴】を紹介してくれました。紙風船は元々荒浜にお住まいだったお知り合いが、同じく荒浜を訪れてくれた人に配って欲しいと庄子さんに託している紙風船とのこと。

 庄子さんは口癖のように「荒浜に来てくれる人に、荒浜の良い所を感じて欲しい」と言います。荒浜に愛着を持ち続け、来てくれる人に感謝の気持ちを伝え続ける庄子さんを見習って、私たち「荒浜のめぐみキッチンメンバー」も等身大で感じているこの土地のめぐみを、マイペースでご紹介していきたいと改めて思わせてくれる時間になりました。

 屋台トークはこの後も続いてお送りいたします!次回も、どうぞお楽しみに。


※この屋台トークは「令和6年度 仙台市若林区まちづくり活動助成事業」の助成を受けて行われています。