一週間前は雨予報だった10月1日(土)。当日は、これ以上ないくらい秋晴れの空になりました。この日、4回目の開催となる朗読会「賢治と焚き火と丸い田んぼ#4」を開催したので、レポートします。
前回からじつに3年ぶりの開催です。
開催を決定してから、夏の間に伸び放題だった下草を刈り、土に埋もれた炉を掘り起こし、薪を割り、音響照明機材を確認してきました。人手が足りない中で、地味にコツコツと(農作業、朗読、演劇、パフォーマンスに興味のある方、ぜひ仲間に加わってください!)。
本番当日はお昼に集合して、ここまで継続的に関わってくれている方、新たに力を貸してくれる出演者たちと、顔合わせのご挨拶からスタート。
16:00に開場して、少しずつお客さまがいらっしゃいます。丸い田んぼの珍しさ、焚き火を囲むしつらえの客席に心と体を馴染ませていただくのも、開演前の良い時間。
今回から受付に登場した屋台。かつて仙台駅前で営業していたものを譲り受け、ワークショップを開いて補修しました。イベント初登場です。今後、荒浜に集う人たちと活用していきます。
さて、いよいよ陽が暮れてきて、開演時間になりました。毎回、日没の時間からはじまる朗読会です。
あたりにはだんだんと夜のとばりが下りてきて、月と焚き火が明るく見え始めました。
前半は毎回恒例、「耕母黄昏」の朗読から始めました。それからいくつかの短い詩、物語を朗読し、「林の底」を群読したところで一旦幕引き。お待ちかね、食事の時間です。
食事の提供をいかにするか。それが今回、制作側として最も大きな課題になっていました。
慎重に相談を進めながらも、「注文の多い料理店」の世界観をテーマに据えることで、あえて制作側からあれこれ注文をつけて、参加者自ら調理することを楽しんでもらおう、という逆転の発想を持って臨みました。
メニューは荒浜産のひとめぼれを使った新米おにぎりと、目の前の畑でとれた長ねぎを刻み入れた味噌を焼いて、味噌おにぎりにしていただきます。また、めぐみキッチンの定番になりつつある里芋のホイル焼き、荒浜で育てた藍のお茶、デザートには焚き火で楽しむ焼きマシュマロをご用意しました。
食事を終え、この夜最後にお届けしたのは「注文の多い料理店」。
今回ゲスト出演した館林敦士さん、安藤敏彦さん。 地の文の朗読は、毎回参加してくれている若栁誉美さん、演奏は門傳一彦さん。アンサンブルは、安藤さん・館林さんが講師を務める「IMS声と言葉の磯貝メソッド仙台塾」 のみなさんでした。
物語が終わる頃、丸い田んぼの一帯には霧が出ていました。夢か現か、不思議なふしぎな丸い田んぼのステージは、これにて終幕です。また次回、お目にかかりましょう。